samedi 15 septembre 2012

Welcome au Musée d’ethnologie de Suita




Dans le cadre de son cycle « Cinémas du Monde », le Musée National d’Ethnologie (国立民族学博物) montrera le 22 septembre à 13 h 30 le film de Philippe Lioret, Welcome (君を想って海をゆ) (2009). C’est gratuit.

Voici ce qu’on peut lire sur le site internet du Musée :


君を想って海をゆく WELCOME
2009年/フランス映画/フランス語・英語・クルド語/110分/日本語字幕付き
【開催日】2012922日(土・祝)13301630(開場1300
【監督】フィリップ・リオレ
【出演】ヴァンサン・ランドン フィラ・エヴェルディ オドレイ・ダナ
【司会】鈴木紀(国立民族学博物館准教授)
【解説】植村清加(東京国際大学 人間社会学部・専任講師)
「映画解説」
不法入国者への支援が違法とされるフランス最北端の港町・カレを舞台に、イラクからイギリスに移り住んだ恋人を追い、ドーバー海峡を泳いで渡ろうとするク ルド難民の少年と、別居中の妻に未練を残し、市民プールの指導員として孤独な日々を送る元メダリストとのふれ合いを、情感豊かに描く佳篇。難民に食糧を配 るボランティアに携わる妻への見栄を発端に、水泳の猛稽古に励む少年の一途な愛に次第に感銘し、親身に世話する中年男に湧き起こる葛藤は、誰もが支援に関 わり得る可能性を肯定した上で、それに伴い生じる責任の重みをも、痛切に物語る。入念な取材を重ねたフィリップ・レオレ監督は、命懸けでたどり着いたカレ でも警察や偏狭な市民の監視の目にさらされ続ける難民の窮状や、法の壁に屈せず彼らのため個々に活動する人たちの強靭な勇気を、心揺さぶるフィクションと して結実させた。(服部香穂里)
「庇護」と「不法」のあいだで問われる自律的空間
ユーラシア大陸とイギリスの結節点となる国境の町・カレー。1999年からコソボやイラク、アフガニスタン等の紛争や経済的困窮を逃れた難民の収容所が開 設され、港周辺に国境越えを試みる人びとが増大した。2002年、英仏両政府は治安と国境管理の強化で連携し、収容所を封鎖したが、押し寄せる人びとは後 を絶たない。2009年から国連が調整に乗り出している。難民や移民として正規化されるのは一握り。より高度化する国境管理技術と、その網をかいくぐろう と生存をかけた人びとが攻防を繰り返す。本作品の原題『Welcome』は、自国が求める移民には門戸を開く一方、それ以外の非正規滞在者の締め出しを実 施する選択的移民政策を指したものだろう。2007年以降、サルコジ政権は公約でもあったこの政策の強化を図ってきた。非合法移民を助けたフランス市民に 実刑を下す法が制度化し、市民の庇護や援助、あるいは他者の生存への「ごく普通の関わり」が国境管理の論理から監視と処罰の対象に転化したことへの批判も 物語の重要な要素だ。それゆえ非正規化された人びとの生との関わりあいは、国家の包摂から逸脱しつつも、人々が自らの生を選択する自律的な状態として 表現されている。(植村清加)
「包摂と自律の人間学支援と絆」国立民族学博物館 鈴木紀
包摂とは、自分では解決できない困難を抱えている人に対して、他の人や社会全体が支援の手をさしのべることを意味します。自律とは、支援を受けた人が少し ずつ自信をつけ、やがて自分でその問題に向きあえるようになることを意味します。このように包摂と自律を実現するためには、支援という行為が鍵になりま す。それでは、よい支援とはどのようなものでしょうか。それは支援する人と支援を受ける人との間に信頼感が育まれ、相互に強い絆を意識するような場合では ないでしょうか。もとより、おざなりな支援からは絆は生まれませんが、過剰な支援も絆を支配従属関係に変えてしまう危険性があります。そのためよりよい支 援のためには、なぜ、どのくらい、いつまで、誰に支援するか/誰から支援を受けるかが問われることになります。支援と絆をめぐるこうした問題を、映画を通 して考えましょう。



Aucun commentaire:

Enregistrer un commentaire