ジェラール・ノワリエル教授 講演会 「フランスという坩堝は今」

開催日2017年6月16日(金)18:30〜21:00
会場大阪市立大学文化交流センター
〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-600
       大阪駅前第2ビル6階 (Tel 06-6344-5425)
主催大阪市立大学文学研究科社会学教室・フランス語圏言語文化学教室
共催共催:大阪市立大学IS日常化セミナー、日仏会館フランス事務所、「戦争、難民、記憶のポリティクス」研究会、現代フランス語圏研究会  後援:国際高麗学会日本支部
今回のフランス大統領選における争点の一つに移民問題があった。その背景に、2015年欧州移民危機と呼ばれた中東地域やアフリカ大陸からEUへの移民の動きがあることはいうまでもない。しかし、フランスの歴史だけを顧みても、移民は昨今の問題ではない。ただ、国家史の外部に放擲されてきたに過ぎない。ノワリエル氏は、故郷喪失、外国人嫌い、統合・同化などを軸としたきわめて多くの論点を通して、移民現象をフランスの歴史の中に置き直そうと試みてきた稀有なる研究者である。このたび、ノワリエル氏を迎え、移民の歴史をふまえて坩堝としてのフランスの今を論じていただく。今回、日本と朝鮮半島における移動の歴史と現状に詳しい文京洙氏にコメンテーターを依頼し、東アジアの今後を展望しつつ流動化する世界について議論を深める。
<講師>
ジェラール・ノワリエル(EHESS教授)
1950年生まれ。現在、フランス社会科学高等研究院教授。フランスにおける移民史研究のパイオニア的存在であり、著書『歴史学の<危機>』(木澤社、1997年)と『フランスという坩堝(るつぼ)』(法政大学出版会、2015年)は日本でも高い評価を受ける。2009年頃から道化師ショコラの研究を開始し、研究者と芸術家が協力して文化促進をめざす非営利団体DAJAを立ち上げる。ショコラに関する演劇型講演の企画や、演出家マルセル・ボゾネの舞台『ニグロ道化師ショコラ』の脚本執筆を手がけてきた。映画にもなった原作は、日本で翻訳刊行された。書名は、『歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯 ショコラ』(集英社、2017)など。
<コメンテーター>
文京洙(立命館大学教授)
1950年東京生まれ。立命館大学国際関係学部教授。専攻は政治学、韓国現代史。著書に『済州島現代史―公共圏の死滅と再生』(新幹社、2005)、『済州島四・三事件―「島のくに」の死と再生の物語』(平凡社、2008)、『新・韓国現代史』(岩波新書、2005)、共著書に『在日朝鮮人 歴史と現在』(岩波新書、2015)など。
2017年度 日常化プログラム 40