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(texte en anglais ici)
マルセル・デュシャン生誕130年記念「瀧口修造・岡崎和郎二人展」
マルセル・デュシャン(1887-1968)は、改めて申し上げるまでもなく現代美術の開拓者であり、20世紀の最も重要なアーティストの一人にも挙げられますが、こうした評価が確立する前の1930年代から、瀧口修造(1903-79)はデュシャンに深い関心を寄せ、たびたび論じてきました。58年の訪欧中に本人と出会ってからは文通や著書の献呈などの交流が続き、63年頃に構想した架空の「オブジェの店」に対して、デュシャンから若き日の女性変名「ローズ・セラヴィ」を贈られています。命名への礼状に同封して、瀧口は自作のロトデッサン(モーターによる回転線描)を一点贈ったほか、返礼として『マルセル・デュシャン語録』(1968年)を刊行しました。さらに代表作「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」の「眼科医の証人」の部分を立体化したマルチプル「檢眼圖」(1977年)も製作しています。デュシャンとその作品の研究・考証は、後半生の瀧口にとって最も重要な課題の一つとなっていたといっても、けっして過言ではないでしょう。
岡崎和郎(1930-)もデュシャンに触発されている美術家の一人です。1950年代から一貫してオブジェに取り組み、86歳を超えた現在も、「御物補遺」 ”Who’s Who” ”HISASHI”の各シリーズなどを精力的に制作している岡崎は、レディメードのオブジェの創始者デュシャンに関連する作品も、「ハート」(1962年)や「窓」(1965年)をはじめ、数多く制作してきました。50年代から岡崎の仕事を評価していた瀧口が、前出『マルセル・デュシャン語録』の製作協力者の一人に岡崎を加え、前出「檢眼圖」の実際の製作を岡崎に委ねたのも当然と思われます。学生時代から瀧口の『近代藝術』を熟読していた岡崎は、「瀧口修造―Arrow Finger」(1968年)など、瀧口に因む作品も制作しています。一方、瀧口も66年にデカルコマニー作品を岡崎に贈呈し、『岡崎和郎の作品 1962-1976』(1977年)にも序詩「彼の微笑、それから」を寄せています。二人の絆は、デュシャンに対する関心や敬意を共有することを通じ、いっそう強固なものとなっていたのは間違いないでしょう。
本展は『マルセル・デュシャン語録』「檢眼圖」をはじめ、瀧口、岡崎のデュシャンに関連する作品など約40点を展示し、生誕130年の幕開けを慶賀するとともに、改めてデュシャンに対する二人の傾倒ぶりや、二人の絆の深さを辿ろうとするものです。なお、展示作品はいずれも土渕信彦氏のコレクションであり、本展は2009年から継続されてきた「瀧口修造の光跡」展の第5回に当たるものであることを申し添えます。末筆ながら、開催にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
会期|2017年1月7日(土)~2月12日(日)
開廊日時|水―日 12:00~19:00
休廊日|月・火(1月9日祝日は開廊)
協力|土渕信彦、横田茂ギャラリー、ときの忘れもの
主な展示作品(予定)
1.瀧口修造『マルセル・デュシャン語録』A版(著者本10部の第6番)、1968年
2.瀧口修造・岡崎和郎「檢眼圖」、1977年
3.瀧口修造 ドローイング「ローズ・セラヴィのために」、インク・水彩、1968年
4.瀧口修造 デカルコマニー「岡崎和郎のために」、グァッシュ、1966年
5.瀧口修造 ロトデッサン ”cercle vicieux”、鉛筆・紙、1971年
6.岡崎和郎 ”Giveaway Pack 2”、ミクストメディア、1968/1977年
7.岡崎和郎「瀧口修造―Arrow Finger」、ブロンズ・焼き付け塗装、1968/1998年
8.岡崎和郎 ”Snap Shot of Mr. Shuzo Takiguchi ‘Arrow Finger’”、スチレンボード・紙、1969/1996年
9.岡崎和郎「ウィリアム・テルのリンゴ」、樹脂・彩色、2008年
10.岡崎和郎 ”HISASHI”、ブロンズ、1985年
ほか
関連イベント
1.1月14日(土)15:00~16:30 岡崎和郎・平芳幸浩対談「オブジェをめぐって」
2.1月28日(土)15:00~16:30 瀧口修造講演「美というもの」(1962年の富山高校における講演録音再生) 土渕信彦解説
3.2月 4日(土)15:00~16:30 土渕信彦ギャラリー・トーク「瀧口修造とマルセル・デュシャン」
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